憶質アレルギーは愉快なものではなかったが、列車の仲間たちと共に、ついにピノコニーに到着した。みんなはあなたが眠っている間にチェックインを済ませており、面倒見のいい三月なのかだけが目覚めるのを待っていてくれていた。
彼女と一緒にホテル・レバリーのフロントに行き、みんなと合流しよう。
列車のラウンジに戻り、航路会議に参加する 
新たな旅がまもなく始まる。バムはグループチャットで、今回の航路会議では「3つのこと」を強調するつもりだと話した。車掌がせっかくもったいぶっていることなので、航路会議では厳粛な態度をとるであろう車掌の引き立て役ができるように、今のうちに心の準備をしておくといいかもしれない。
列車のラウンジでちょうどいい場所を探してみんなが集まるまで待とう。
列車のラウンジでちょうどいい場所を探してみんなが集まるまで待とう。
（そろそろ次の駅に出発する。ラウンジに行ってみんなと合流しよう……）
車掌さん、まだ来ないの？
パムでも油を売ることがあるのね。
コホン、待たせたな。重要なことじゃから、準備に少し時間がかかってしまった。
それで、どうしたんだ？
うん、そんなに重要なことって何？
乗客の諸君は知っとるじゃろうが、次の列車の目的地は「宴の星」ピノコニーじや。
皆が宇宙でも有名な星空ホテルをずっと楽しみにしておったことはオレも知っておる。じゃが、出発する前に改めて3つのことを注意しておきたい。
1つ目、ピノコニーが位置するアスデナは「憶質」が充満しとる星系で、歴史的に記憶域から漏れ出した「大ホール」の1つでもある。数千年の歳月が経っても、この先の憶質の濃度は平均値よりも高い状態を保っておる。
普通なら大した問題ではないのじゃが…人それぞれ体の状態は異なるからな。目眩、幻覚、記憶の混乱などの症状が現れた場合は、くれぐれも油断せぬように！
2つ目、ピノコニーは「調和」のファミリーの領地であり、ファミリーが他の派閥を公に招待するのは今回が初めてのことじゃ。列車も客として招かれとる以上、守るべきルールはしっかり守ること。これを忘れるでないぞ。
わかった、郷に入っては郷に従えってことだね！安心して、車掌さん。ナナシビトの顔に泥を塗るようなことはしないから。
最後、3つ目じゃが…これは注意というよりも、無理を承知でオレから皆に頼みたいことがある。
できれば──休暇の合間に、数人の「ナナシビト」に関する情報を探ってきてもらいたい。
どんなナナシビト？
私が説明するわ。
列車が停車するほとんどの世界と同じように、ピノコニーも銀軌上にある駅だったの。数千年前、そこはまだカンパニーの辺境の監獄で、「開拓」がそこと数千もの星々を繋げていた。
当時、星穹列車もピノコニーを訪れたことがあって──旅に出会いと別れがあるように、記録によると数人の乗客がピノコニーに残り、そこを自分の終着駅としたの。
そういうのって珍しいのか？
あまり深刻に捉えないで、ただ過去の停車駅に戻るだけだと思ってちょうだい。列車が去った後、万界の癌は各世界を遮断した。そしてピノコニーの主も幾度となく変わったわ。
そこに残ったナナシビトたちが、その後どんな暮らしを送り、どんなことを経験して、この世界にどんな痕跡を残したのか…先人たちの足跡を追うことも、一種の冒険でしょう？
星空から離れたとしても、ナナシビトの「開拓」が終わることはない。パムもそう思っているのよね？
乗客名簿によると、当時下車した3人の乗客の名前は、ティエルナン、ラグウオーク、ラザリナ。それぞれ列車の護衛、整備士、測量士だったらしいけど、それ以外の情報はないわ。
名前と職業だけ？聞いた感じ本名じゃなさそうだし…干し草の中から針を見つけるようなものじゃない？
とにかく、成り行きに任せればいいわ。ナナシビトの多様性を考えると…彼らの子孫を見つけられるかもしれないし、確率は低いけど──本人にも会えるかもしれない。
それじやあ、今回の航路会議はここまでにしましょう。跳躍までまだ時間があるから、もう少し荷物の確認に時間をかけていいわよ。
跳躍が始まる前に、オレが放送で知らせてやるからな！
列車の仲間と会話する
航路会議が終わった。バムが言う「3つのこと」には意外にも、星穹列車が実は巨大なロボットに変形できるという話は含まれていなかった。がっかりしたと言わざるを得ない。しかしかつてのナナシビトの足跡をめぐる旅とビノコニーそのものには十分に魅力がある。
跳躍が正式に始まる前に、みんなと各々の予定について話し合っておくのはどうか。もちろん、新シーズンのスターピースラジオを聴くのもいい。列車の仲間のことは本当に毎日ニュースに上がっているだろうか？
跳躍が正式に始まる前に、みんなと各々の予定について話し合っておくのはどうか。もちろん、新シーズンのスターピースラジオを聴くのもいい。列車の仲間のことは本当に毎日ニュースに上がっているだろうか？
（跳躍までまだ時間がある…みんなと話をしよう）
ヴェルト
どうだ？出発の準備はできたか？
ファミリーの領地なら、刺激的なこともあまり起こらないだろう。俺からすれば少しもったいない気もするが、せっかくの羽を伸ばせる機会だ。存分に楽しんでくれ。
ずいぶんリラックスしてるみたいだな。
冒険の旅は確かに胸を高鳴らせるが、適度にリラックスすることも大切だからな。
ただ…リラックスしている間も、パムの頼みを忘れないでいてやってくれ。パムは俺たちのために色々なことをしてくれた。今回は俺たちが報いる番だ。
姫子
ふふ、やっぱりあんたは冷静ね。三月ちゃんなんて、ピクニックに行く子供みたいに大はしゃぎしてるのに。
俺は大人で落ち着いてるからな。
真顔で冗談を言うのもあんたの特技だったわね。
ただ今回の「ファミリー」の招待については、いくつか気になるところがあるの。それについて話し合いたいんだけど…今はやめておきましょう。まずは楽しい休日を満喫してちょうだい。
丹恒
ヴェルトさんと話したんだが、今回は俺が列車に残ることにした。お前たちは思う存分ピノコニーを満喫してきてくれ。
一緒に来ないのか？
お前の気持ちは有難いが、あまり騒々しいところは好きではないんだ。列車の仕事も誰かが残ってやる必要がある。
仙舟のことは気にしなくていい。ピノコニーは旅の終着点ではないし、この先も長いからな。ある程度片付いたら、俺もお前たちを追いかける。
お前も荷物の確認は念入りにしたほうがいいそ。ファミリーのイミグレーションは手続きが面倒だと聞く。ホテルにチェックインした後に忘れ物に気づいたとしても、後の祭りだからな。
三月なのか
カメラよし、着替えよし、洗面用具は……
…うわ、最悪！この前注文した旅行用の詰め替えボトルがまだ届いてない…でもピノコニーのリゾートホテルって超高級だっていうし、きっとアメニティも悪くないよね？
これならもう少しスーツケースのスペースを空けられそう。他に何を持っていこうかな……
パムのぬいぐるみは？
パムのぬいぐるみか…いいね！なんといっても車掌さんと一緒に遊べるし！あ、でも、そのぬいぐるみはちょっと大きいから、スーツケースに入らないかも……
迷うなぁ、他に何を持っていこう……
ソファーで跳躍を待つ
列車のみんなが––丹恒を除いて––美しき夢の遊園地を長らく心待ちにしていたようだ。彼は静かな場所が好きなので、遊園地を毛嫌いしていることくらいとっくに気づいていた。
車内アナウンスによると跳躍はまもなく始まる。そろそろ唯一の跳躍待機指定席に戻る頃だ。
車内アナウンスによると跳躍はまもなく始まる。そろそろ唯一の跳躍待機指定席に戻る頃だ。
ソファーで休む
（そろそろ時間だな…席に座ろう）
ア──アア──各乗客は注意せよ。
まもなく跳躍を開始する──まもなく跳躍を開始する──席に座って近くのものに掴まるように──！
まもなく跳躍が始まる
5
4
3
2
1
謎の空間で目覚める
また1人……
…ついて来い。
誰だ？
その質問には…意味がない。だが、出来る限り説明しよう。ここは現実と記憶域の境界…「夢境」だ。
今この瞬間、あなたと私は偶然にも同じ夢を共有することになり、互いの思考の中に現れた。これは私たちに対する「夢の地」からの最初の挨拶だ。
何も心配することはない、あなたはすぐにこの夢から目覚める。ここでの出来事はすべて忘れ、かすかな落胆が残るだけ……
こうした「忘却』は朝を迎えるたびに起こっている。私たちにとっては、すでに慣れ親しんだ日常だ。
…ついて来い、あなたを家に連れて帰る。
知らない部屋から出る
今回の跳躍ブロセスはどうも奇妙だ––ついさっきまで列車のラウンジのふかふかとしたソファの上に座っていたのに、一瞬で見知らぬ場所へとやって来てしまった。知らない人に起こされ、彼女の話では偶然同じ夢境を共有することになったそうだ。そして一緒に出口を探してくれるという。
彼女について行き、ここから脱出しよう。
彼女について行き、ここから脱出しよう。
左側、廊下の突き当り。そこであなたを待っている。
知らない廊下を進む
武芸者は「黄泉」と名乗った。巡海レンジャーだそうだ。
彼女に続いてこの見知らぬ夢から脱出しよう。
彼女に続いてこの見知らぬ夢から脱出しよう。
巡海レンジャー、黄泉…周りからはそう呼ばれている。あなたもそう呼んでくれて構わない。
そのドアを開けて…美しい夢境を覗いてみるといい。まだ記憶があるうちにな。
（こ、これは……）
こっちだ。
先に行け。
知らない大広間で出口を探す
黄泉に連れられて大広間へとやってきた。彼女が道順を示してくれたが、この部屋には他の場所へ繋がる通路がないように見える。
辺りを探索して実際に進める道を探そう。
辺りを探索して実際に進める道を探そう。
（壁の上を歩けって言うのか…？）
黄泉と会話する
めまぐるしく探索を終え、いつの間にか大広間の天井上まで来ていたことに気がついた。
黄泉はそんなことは慣れっこの様子で、夢境の出口はこの先のそう遠くない場所にあると言った。
黄泉はそんなことは慣れっこの様子で、夢境の出口はこの先のそう遠くない場所にあると言った。
天井を通る
（本当にできた！？）
何を驚いているんだ？
（俺の考えてることがわかるのか？）
…何を驚いているんだ？
黄泉と話す
もうすぐ着く、まだ歩けるか？
壁に登るの、いい気分だな。
面白い。冗談を言う余裕があるなら、大丈夫だろう。
立ち止まるな、振り返るな、下を向くな、上も見るな。
黄泉と一緒に進む
黄泉に連れられて、この上なく美しい夢境の中を進む。出口はすぐそこにあるようだ。
移動中
この声は…ただの夢境の影だ。気にしなくていい。
傍聴
サムと銀狼
サンデーとロビン
アベンチュリンとレイシオ
ブラックスワンと花火
伸びる廊下の先
…着いた。
ホテル・レバリーへようこそ。忘れられないリゾート体験をお楽しみください!チェックインが必要な方は、フロントまで進んでください……
黄泉と話す
ここから出ていくんだ。いつもと同じように目覚め、この偶然の出会いを忘れ、元居た場所に戻るといい。
ただ…別れる前に、1つ訊きたいことがある。
少し奇妙に思うかもしれないし、失礼だと感じるかもしれないが、それでも教えてほしい……
…私たちは、どこかで会ったことがあるか？
ないと思う。
あなたは昔の友人を彷彿とさせる。臓げな記憶だが、私と彼は対立していて…この奇妙な夢のように、近くにいるのに手が届かない存在だった。
…もう少し訊いてもいいか？私は…よく忘れてしまうから、記憶よりも「感覚」で物事を捉えるようにしている。答えが正しいか否かは重要じゃない。重要なのは…その時のあなたの反応だ。
たとえば…客室で目を覚ました時、あなたはいくつかの名前を咳いていた。彼らは仲間か？家族か？それとも敵か？あなたは多くの人々、多くの物事と強い絆を結んでいるようだが……
その絆を失うことに、恐怖を感じるか？
そんな恐怖には耐えられない。
ふむ…仮に巨大で、現実との区別がつかないほどリアルな夢境があったとしよう。そこには別れがなく、誰もが満足感と幸福を得ながら、永遠に楽しく生きていくことができる。
あなたは、その中で暮らしたいと思うか？
支払う代償次第。
なら…その美しい夢が壊れ、あらゆるものが消えてしまうとしよう。友人、家族、赤の他人…そして爽やかな風、空を飛ぶ鳥、星々…最後には、あなた自身も。
全員、彼らの記憶の中の全員、その笑顔も涙も、果たした約束も果たせなかった約束も…最後には、すべてが定められた結末に向かっていく。旅立ちの時から、その旅の終点を知っていたとして……
あなたは、それでも旅を始めるか？
迷わず開拓を続ける。
難しい問いだということはわかっている。今すぐ決断する必要はない。言っただろう…答えは重要ではないと。
耳を傾け、手で触り、考える。そうすることで感じ取れるものがある。それを大切にして、その感覚を頼りに選択すればいいんだ。それで、最初の質問に戻るが……
あなたは、私のことを覚えているか？
いや、会うのはこれが初めて。
…わかった。
面白いな。さっきは無数の似て非なるあなたが、それぞれまったく違う答えを出しているようだった。
今のが本当に最後の質問だ。ありがとう、私たちにはそれぞれ進むべき道がある。ここで別れることにしよう。
また会えるか？
金色の夢が今にも動き出そうとしている…これから訪れる長い夜、あなたは多くの挫折を味わい、数々の悲劇を目の当たりにするだろう。やがて、その目には…色褪せたモノクロの世界しか映らなくなる。
その世界には一抹の赤が現れるが、瞬く間に消えてしまう。だが、信じてほしい…あなたが決断を下す時、その赤は再び現れると……
黄泉に斬られる
あなたは──私の言葉の意味をよく噛み締め…
そして
目覚めの世界へ帰るといい
私たちが探している答えはそこにある
列車で目覚める
オイ、どうした?な、なんで泣いておるんじゃ？
夢で悲しい未来を見た気がする…
…あ、悪夢を見たようじゃな！アスデナ星系に着くなり、そんな目に遭うとは…くれぐれも気をつけろ。オマエは憶質に対する耐性が低いようじゃ。
なに、気にすることはない。夢と現実は相反するものじやからな。オマエが寝とる間に、列車はピノコニーに到着したぞ……
かつての辺境の監獄も、今では豪華なホテルに変わっておる。車掌として今のピノコニーには興味があるが、オレは列車から降りられんからな…代わりに存分に楽しんできてくれ。
荷物をまとめたらいつでも降りて構わん。三月ちゃんは客室車両におるから、会いに行ってやれ。オマエと一緒に出発するのを待っておるぞ。
三月なのかと合流する
夢の中の女性には特別な意味があるようだ––結局のところ何を指し示しているのか自分には分からないが。次の瞬間、彼女が刀を抜いてこちらへ振りかざしたかと思うと、見知らぬ夢境が一瞬にして消え去った。
再び目を開けた時、列車はすでにピノコニーに到着していた。なのかが待っているようだ。一緒に列車から降りよう。
再び目を開けた時、列車はすでにピノコニーに到着していた。なのかが待っているようだ。一緒に列車から降りよう。
ラウンジ
（なの、まだ荷造りしてるのか……）
廊下
穹、起きた？準備は進んでる？あ、ヨウおじちゃんと姫子は先に降りてるよ。ウチはアンタと一緒に行こうと思って、ここで待ってたんだ。
どうする？今からヨウおじちゃんたちと合流する？
準備できた。
「宴の星」ピノコニー、宇宙で一番大きくて豪華な遊園地へ、しゅっぱーつ！