地理課スタッフの少年の悩みを聞こう 
最近、地理課の若いスタッフであるロキが悩みを抱えているようだ。どうやら、彼はずっと片思いの相手と連絡を取り合っていたが、今回、相手は返事をしてくれなかったらしい。
あれだけ話し合った事、「告白したばかり」であることを考えると、不安になり、連絡が途絶えた理由を調査してほしいそうだ。
あれだけ話し合った事、「告白したばかり」であることを考えると、不安になり、連絡が途絶えた理由を調査してほしいそうだ。
ロキと話す
ユーモア？いや、やはり気持ちを込めた方がいい。文学的？うん、詩にスラングは書かない方がいいな。
ここは「黒髪のシルク」にすべきかな？それとも「白スカートの裾」かな？うーん、頭が麻痺してきた……
何しているの？
えっ？詩を書いているんだ。見えないかい？あそこの机にいくつも置いてあるだろう。
あぁ、君が話しかけてくれたおかげで思い出したよ。もう何回も書いたのに、どうしてレスリーは返事をくれないんだろう？
レスリーって…
フッ、レスリーは「ヘルタ・光淵密巻課」のスタースタッフ。今琥珀紀で豊穣星域に派遣された唯一の訪問学者だ。
お前の相手なんてする暇があると思うのか？
もちろんさ！レスリーがいなくなった後も、俺たちは断続的に銀河電波中継機で連絡を取り続けているんだ。
たとえ何万光年離れていようと、彼女が俺を無視するはずないんだ。
彼女がすぐに返事をくれなかったのは、今回の状況が特別だからなんだ！
お、俺はメッセージを書いてレスリーに告白したんだけど、普段とは違い、地理課に何種類の石や泥があるかを教えただけなんだ……
青二才が。
自分の専門領域にもっと敬意を払わんか！
俺には本当に理解できないんだ。どうして告白した途端、レスリーは俺に返事をくれなくなってしまったんだろう……
俺たちは色々な話をしてきたんだ。密巻課に101台ある星神の秘計器の中でガンのヒゲに必要なのはどれかとか、他にも……
勘星用たがねでどうやって「土砂鑑定」すれば、地質の良し悪しを調べて特定の惑星の神族の盛衰を判断できるかとか。
女の子と泥の話をする人なんている？
泥…泥がどうした ！？レスリーとは泥の話をしてもすごく面白いんだ。それに何より……
俺が告白する前の通信で、彼女はとても壮大で美しい星震について説明してくれた。
想像してみてくれ。それは恒、星、の、滅、亡、だ！他の人は逃げることすらままならなかったのに、俺のレスリーは生の観測データを手に入れた上に、命からがら脱出してきた銀河ヒッチハイカーを救ったんだ。
この返信メッセージの中で、彼女がどれほど嬉しそうな口調だったか知らないだろう？中継機まで嬉しそうな信号になっていたんだから！
いつも彼女から返信が届くと、俺は思わず石を手に取って彼女の笑顔を想像していたんだ。
「レギオン」が侵入する前は、俺の机の上にそうした石がずらっと並んでいたんだけどな。残念ながら、混乱の中で全部なくなってしまった。
男女の情事だな。
けしからん！
とにかく、彼女が俺の告白を断るような素振りは一切見せていなかったんだよ。だから、決まった時間に彼女からメッセージが届かなければ…きっと銀河電波中継機に何か問題が起きているはずだろ！
調べに行ったんだけど、「レギオン」のモンスターたちが信号の送受信エリアを占領していたんだ。一体どうなっているのか見に行ってきてくれないか？
中継機に一体どんなトラブルが起きたのか見に行ってきてくれないか？師匠は俺を行かせてくれないんだ……
あいつに手を貸してはならん！
あいつの頭は中継機でいっぱいで、10日以上もまともに仕事していないんだぞ。情けない！
見に行こう。
よかった！
師匠の話に耳を貸すことないって！師匠と話している暇があるなら、さっさと銀河電波中継機を見つけてよ。
いいかい？中継機は「虚実の狭間」のそばにあるよ！そこは大きな廃棄奇物の倉庫なんだ。
俺たちの通信を復旧できたら必ず恩返しするよ──いつか君に花婿介添人をお願いするからね！
補足
「ヘルタ」恋愛詩その1
「ヘルタ」恋愛詩その2
ヘルタ」恋愛詩その3
詩を拾った後
バーナード
収容部分の中継機を見つける
ステーションは常に1台の中継機を通して、銀河の信号を受信していた。今、中継機は、モンスターが徘徊する場所に取り残され、虚実の狭間と呼ばれる特徴的な部屋にある。通信が途絶えた今、最優先するべき任務は中継機が断線しないようにすることである。
中継機を調べる
エラー！回路のエラーです！解離保護プログラムを起動しました。
探知の結果──スーパーニッケル部品が不足しています。
スーパーニッケル部品か…中継機もかなりの年代物らしい ……
すぐそばに捨てられた奇物の置かれた「虚実の狭間」があったから、使える交換部品があるかもしれない。
スーパーニッケルパーツ
補足
エミリア（レスリーの妹）
中継された通信を調べる
部品は既に入手し、中継機の修理は簡単である。過去の通信記録をよく見ると、意外なことに気がつくだろう……。
中継機を調べる
〜電〜波〜が〜送〜信〜さ〜れ〜ま〜し〜た〜
現在送信中の電波信号を検出できませんでした。必要な場合は、確認したい過去の信号変換記録を選択してください。
信号変換記録：琥珀2157紀40月-43月
信号変換記録：琥珀2157紀44月-47月
信号変換記録：琥珀2157紀48月-51月
52月〜55月。
……
この期間の電波信号変換記録がありません。
何があったんだろう？
……
56月〜現在。
……
ロキのバカ。もちろんあなたの言いたいことは分かってるわよ。私の答えは……
（この記録データは壊れています）
……
過去の記録の閲覧を終了します。現在送信中の電波信号を検出できませんでし…た……
こんな時に記録データが壊れるなんて！
識別不能、識別不能。生物の感情波動を検出しました。
警告！あなたは「ヘルタ」全景監視エリアに入っています。中継機に不適切な操作を行わないでください。
〜電〜波〜が〜な〜く〜な〜り〜ま〜し〜た〜
重要な記録が壊れている…それに全景監視エリア……
監視室に行って何か手掛かりがないか調べてみよう…誰かが中継機に細工を加えたみたいだな……
監視室に行き、裏で起きていた事の顛末を見る
監視室に行き黒幕の映像を確かめよう。一旦目標をロックオンしたら、すぐに犯人の動機を問いただそう。
監視操作台を調べる
ようこそ。アクセス認証を行います…成功しました。
確認したい監視エリアを選択してください。
主制御部分の当番ブース。
ベース部分のセーフティエリア。
収容部分のセーフティエリア。
整備室。
虚実の狭間。
医務室。
操作を終了します。お疲れ様でした。
誰か分かった今、彼に会っで問いただそう。
バーナードと話す
…何を言っているのか分からん。
若い奴ってのはロクに勉強もしないで、フラフラしてばっかだな。
監視カメラに映っていたよ。
…機械を修理したようだな。
監視映像
……
ああ！お前たち小童どもときたら！本当に心配ばかりさせおって！
──わしが記録データを破壊したのは、すべて口キのためを思ってのことだ！あいつはレスリーのせいで、学問にも身が入らないし…まあ、これは目を瞑ろう。
それよりもお前たちは物事の根本的な理解が足りてない。レスリーはな……
あの子は……
事故に遭った？
いいや、あの子には怪我一つない。それにロキの告白を受け入れた。
だが、あいつらは付き合えないのだ。
わしが2人の邪魔をしていると思ったら大間違いだ！小童、思い上がるな。
あいつらは付き合えないんだ…永遠にな。
どうしてか分かるか？いや、分かるまい。星震が一体どういうものなのか理解している者はほとんどおらんからな……
適切に防護していれば、星震が人に物理的な被害を及ぼすことはない。
しかし、星震による重力崩壊は、今いる星域の時空の曲率を大きく変化させる。
たとえば、レスリーのいる星域の時間がわしたちの時間と同じだったとしよう。1本の直線だ。それが今、重力に潰されて1筋の巨大な峡谷になってしまった。
誰もが知っているように、曲線は必ず直線より長い。だから彼女のいる星域の時空の曲線は、わしたちの時間直線に換算すると数倍もの長さになる。
これが何を意味しているか分かるか？
時間の流れるスピードが違う。
これはわしたちと彼女の時間の流れるスピードが違うことを意味している。
星震の発生以来、レスリーとわしらの時間の流れるスピードはますます差が開いている。あの子が返信メッセージを送る時間は1ヶ月から1年になり、さらには10年になることだってあり得るのだ。
メッセージだけではないぞ。レスリーのあらゆる活動がこの調子だ。異常な重力環境から離脱しない限り、あの子が銀河を1ヶ月旅する間、わしらは数十年も待たされることになる。
わしたちを含め、ロキが「今」というこの時点に生きているとしたら……
レスリーは相対的に……
すでに「未来」に生きているということになる。
…わしにも若かった頃はある。
相手に断られるよりも、心が通じ合った人と「本来なら一緒になれる」はずだったのに、「一緒になれない」ことの方がよっぽど残酷だと思うぞ。
少なくとも告白にはオーケーしている。
それがどうした？
真実を知ったロキは、すぐに届くはずの返信メッセージを数十倍もの時間をかけて待つに違いないぞ。
今この時間を孤独に生き、レスリーがいる未来が一歩ずつ近づいてくるのをただ待つだけだ。
だが、ロキは生きている間にどれくらい待てる？
あいつが次第に歳を重ね、わしみたいな老いぼれになった頃、レスリーが「ヘルタ」に戻ってくるかもしれない。
しかし、彼女の体を流れていた時間はわずかなんだぞ。もしかしたら今の年齢とほとんど変わらないかもしれない。
その時、あいつらはどうやって一緒になればいい？
空間は飛び越えることができる。だが、時間は絶対に無理だ。
お前たちはまだ若すぎる…この世界では待たなきゃいけないことというのは、ほとんどが実を結ばないと知らんのだ。
…
本来なら、記録データを破壊して部品を取り去り、すべてモンスターのせいにしてしまえば、ロキは中継機が修理される日をいつまでも願っていられたのだ。
お前がそのベールを取ってしまったんだから、どうするかはお前が決めるのだ。
わしの手元には中継機からコピーした信号変換記録が2つある。1つは赤で1つは青だ。
赤の変換記録にはレスリーの実際の返事が保存されている。だが、そこには星震に関する真相も含まれておる──正直に言って、ロキの小僧の性格からして、真実を知ったあいつがどんな衝動的なことをしでかすか、わしにも予測できん。
青の変換記録はわしが偽造したものだ––レスリーが口キの告白を断つている。残酷だなんて思わないでくれ。この先、口キはもうレスリーの返信を待たずに済むのだ。あいつの人生にはまだチャンスがある。
ひとまずこれらを赤い真実と青い嘘と呼ぶことにしよう。どちらの変換記録のバックアップをロキに渡すかはお前が選べ。
ほらよ。よく考えろ。ロキはお前からの知らせを待っているからな。
赤い変換記録
青い変換記録
ロキに嘘または真実を伝える
バーナードは残酷な真実を隠すために、あらゆる手段を講じていたことが判明した。重力の影響でチームのいる惑星付近の時空の曲率が変化し、恋人同士が異なる時空座標系で離れ離れになってしまったのだ。
彼にとって、彼女は未来を彷徨う幽霊となってしまった。彼女にとって、彼はとっくに老いて死んでいるのだ。彼らの間で一言言葉を交わすために、彼は一生費やさなければいけない可能性があるのだ。
あなたは彼に真実を伝えることを決めた。
彼にとって、彼女は未来を彷徨う幽霊となってしまった。彼女にとって、彼はとっくに老いて死んでいるのだ。彼らの間で一言言葉を交わすために、彼は一生費やさなければいけない可能性があるのだ。
あなたは彼に真実を伝えることを決めた。
ロキと話す
友よ！戻ったか！君が行っている間にまた詩を書いたんだ。「レスリーに詠む」ってタイトルだ。
中継機を直したんだろ？信号変換記録のバックアップを持っているじゃないか…へへ。どっちが俺のなんだ？
赤い真実。
どうして躊躇しているんだ？本当に赤いのが俺のなのか？
本当だよ。
そうか。じゃ読み取ってくるよ。ありがとうな！
| しばらくすると。 |
どうして、そんな…レスリーは俺の告白をオーケーしていたのに、星震の部分は……
お、俺、頭が追いつかないよ……
…星震の重力遅延効果のせいで、レスリーの時間が1ヶ月過ぎる間に、俺の時間は数十年も過ぎてしまうようだ。それじゃあ、レスリーが戻ってくる頃には、俺は師匠みたいに年老いてしまうってことか？
そういうことなのか？穹、俺の代わりに見てくれよ。俺は頭が働かなくなっちまったんだ。レスリーの言っている意味はそういうことか？
そうだと思う。
じゃあ、俺がレスリーのことを恋しく思っているこの長い長い時間も、彼女にとってはほんの一瞬でしかないってことか？
考えもしなかった。時間すらも不公平になることがあるのか。
……
だからレスリーが帰ってくるのを待ち望むのは現実的じゃない。たとえ彼女が数ヶ月、数光年しか旅していなくても、俺の時間座標では老人になってしまう。
果てしない想いと孤独に耐えながら、一生の時間をかけて1人の人を待つ……
なあ、正直に言って、俺が本当にそこまでお人好しだとは思ってないよな？
ハハハ！もちろん俺はレスリーを待ったりしないぞ！俺は待たないぞ！
本当に意外だった…
俺は待ったりしない……
だが、レスリーを追いかけに行く。俺は行くぞ。時間を追いかけるんだ！
彼女の時空曲線が大峡谷になっているなら、彼女が出てくるのを待つよりも、俺がその大峡谷を飛び越えてしまえばいいだろ？
1ヶ月しか過ぎていない彼女を見つけるのに10年かかるかもしれないけど、俺たちの時間の流れをそこから同期できるだろ。ここでおとなしく死を待つよりもマシさ。
そうだろ？
いや、穹がどう思おうと、俺はもう決めたんだ！できるだけ早く師匠に挨拶しに行くよ。そして荷物をまとめて、レスリーを探しに出発する。
ここにも飽き飽きしていたことだしな…「ヘルタ・宇宙地理課」のスタッフなのに本物の銀河すら見たことがないなんて言ったら、いずれ笑いものになるだろうさ。
君も俺と同じように、深宇宙の中に一体どんな光景があるか気になっているだろ？
宇宙には何があるの？
とても寂しげで素晴らしい景色、未知で美しい危険、そして俺があれほど聞いたあの人…
俺がレスリーを見つけたら、いつか戻ってきて、君にこの旅で目にしたすべてを教えてあげるよ……
その時には、君に俺たちの花婿介添人をしてもらうからな。約束を忘れないでくれよ。
じゃあ、この詩を君にあげるよ。またな、俺の友人。
さようならヘルタ
ダイヤモンドと錆
若いお前がわしみたいな年寄りに会いに戻ってくるとはな。
余ったバックアップを返しに来た。
最後までやり遂げるとは見込みのある奴だ。余ったのが青い信号変換記録ということは…やはり真実を口キに告げたようだな。
レスリーのためなら何でもするって。
…フンッ。あいつは地理課の軽率な貧乏人。そういう奴に限って頭に血が上って、自分には何でもできるなどと思い込むんだ。
まあ、よい…このバーナードの弟子でありながら、まったく気骨のない奴こそわしの顔に泥を塗るようなものだ。
ハッハッハ。この身の程知らずとも言える無鉄砲さは、はたしてあいつの長所なのか致命的な欠点なのか、時々分からなくなる。
だがな、この愛とレスリーに関する難題は時間が答えを出してくれるだろう……
ならば、時間が最後の答えを出すのを待つとしようではないか。