■■ ■ ■■■列車は結構いいところだけど、安心してゲームできる場所が足りない。
私が用意してあげようか？私だって、あなたたちの友人だからね■■■ ■ ■■
| 銀狼はこちらに声をかけずに、人差し指で空中にある何かを夢中になってタップしている。 |
しばらくして、彼女の顔に喜びの笑みが溢れているのが見えた。
あ…そっか、あなたにはスクリーンが見えないんだっけ。ふふ、説明してあげる。さっきはガチャを回してたんだ、あのゲームによくあるヤツ。
そして結果は──もちろん一発で星5、つまり一等賞をゲット！
あなた、全然わかってない。ゲームにおいて、技術と運は別物──ずっと勝ち続けるためには、この2つを兼ね備えている必要がある。
前者は練習次第でなんとかなるけど、後者は恵まれるもの。私の直感が言ってたの、「今日の列車のラウンジは運気がいい。ガチャを3回キャンセルしてから引けば、ターゲットをゲットできる確率が格段にアップする」って。
先に言っておくけど、これは私の直感。あなたにも効くかどうかはわからない。もし効果がなかったとしても、私は責任を負わない。いい？
とにかく、今日は楽しい一日だった!ちょっとしたプレゼントを用意したから受け取って。あなたも上手くいくことを祈ってる。
会話後
チェスボードの隣、両側の椅子から同じくらい離れた位置に立って、廊下の向こうの見晴らし窓に顔を向け、視線を天井の虚空クジラに移してから画面を開く。そしてゲームを開いて3回キャンセルしてから引けば、それがターゲットをゲットする最高のタイミング。
先に言っておくけど、これは私の直感。あなたにも効くかどうかはわからない。もし効果がなかったとしても、私は責任を負わない。いい？
