調査に進展はなかったが、ホテルのロビーでトパーズに遭遇し、別の手がかり──ハウンド家の保安官であるギャラガーを見つけることもできた。彼は多くの情報を知っているようで、場所を変えて話したいと言ってきた。
ハウンドたちに手がかりを聞く 
調査に収穫はなかったが、偶然にもトパーズと、それから彼女の背後でカンパニーの人々をじっと見つめる忠実なるハウンドと出会った。これまで読んだ数々の探偵推理小説の中では、警官たちには名探偵を引き立て、重要な手がかりを差し出す以外に利用価値がなかった──今こそ役目を果たしてもらう時だ！
俺たちは長官からの命令を実行してるんだ！お、お前、何の用だ！？
私たちは前にミスを犯したからな…その穴埋めをするのに手一杯で、今は他のことに構ってる暇なんてないんだ！カンパニーの幹部であるトパーズを監視して、彼女がピノコニーにいる間はホテル・レバリーの外に出さないようにする──今度は相手を間違えてないぞ！
（…なるほど、あの時ホタルを追いかけてた2人か）
また会ったな。
……
な、なんでお前が…また因縁をつけに来たのか？今度は怖気づいたりしないぞ！
用があるなら早く言え、そうじゃないなら邪魔するな！
アンタたち知り合いだったんだ…はあ、アンタって、なんでどこに行っても前にボコボコにした相手に会うの？
事件について調べたいから、いくつか記録を見せてほしい。
そうそう、ウチらファミリーのために殺人事件を調査してるんだ。ホテルのドリームプールの記録を取り出して見せてもらえる？
それは……
…こら！保安官がドリームボーダーから戻ってくるまで、何も話しちゃダメだって言われてるだろ！
な、何が殺人事件だ！デタラメ言うな。
そ、そうだ！話すことなんかない、帰れ！
協力する気はないみたいね。でも上司がドリームボーダーにいることは話してくれたわ……
なら直接その保安官に会いに行けばいいんじゃない？たぶん穹が言ってたギャラガーって人でしょ？
（任意）トパーズと会話する
アベンチュリンと取引してみてどうだった？大変だったんじゃない？
あの人はああいうスタイルなの。「オール・オア・ナッシング」が口癖でね…いつも親しげにしてくる一方で、取引相手を危険な道に誘い込む…やり方は人それぞれだから、余計なことは言わないでおくけど。
でもアベンチュリンは本当に運がいいんだよ。手掛けた案件はほとんど成功してるし、賭けにだってほぼ負けない。だからピノコニーを取り戻す件についても…期待してるんだ。
そんなにすごいんだ…
2つの事件については…残念だけど、あんまり情報を持ってないの。詳しいことは、みんなに調査を続けてもらうしかないね。
ドリームボーダーへ向かい、ギャラガーを探す
口の軽いハウンドから、ギャラガーの居所がドリームボーダーであることを聞き出した。偶然にも彼とは以前、一度だけ会ったことがある──もしかしたら、ハウンドたちが配置についている調査現場を堂々と突破できて、ギャラガーから事件に関するより詳しい情報を得られるかもしれない。
ドリームボーダーに入る
本当に厳重な警備…きっとアイツらも事件のことで大変なんだろうね。
ギャラガー…ギャラカー…どこにいるんだろう？
ハウンドと話す
おい、そこの3人。この先では今ハウンド家が調査を行ってる。関係者以外立ち入り禁止だ。
…ちょっと待て、灰色の髪のお前、どこかで見たことがあるような……
…アンタ、ピノコニーでどんだけトラブル起こしてるの？
人違い…じゃないか？
いや、間違いない！この前の奴だ！努力だの友情だのクロックトリックだの叫びながら、あの銀髪の子と一緒に俺を殴っただろ！
……
……
今回は何があっても見逃さないぞ…帰ってくれ。さもないと、土下座してお願いするからな！
えええ、穹、この人に一体どんなひどいことしたの……
ちょっと待って、その…私たちはファミリーが発行した書類を預かってるの。あんたたちの調査に協力するから、私たちがギャラガーさんに会えるよう、便宜を図ってもらえないかしら？
そのギャラガーってのは一体誰だ？もう何人もその名前を口にしているが…そういえば、その灰色の髪の奴も前に言ってたな。
えっ？ギャラガーがアンタたちを派遣したんじゃないの？
俺たちは保安官に派遣されて来たんだ。それ以上のことは言えない。
だからそれで合ってるじゃん、ウチらはその人に会いたいの！
ダメだ。ファミリーの名誉に関わることだから、誰も通さないようボスに言われてる。
さあ、帰ってくれ。わざわざお互いを困らせる必要もないだろ？
迷惑をかけてごめんなさい。行きましきょう、他の方法を考えたほうがいいわ。
他の方法…そうだ！穹、この前は…えっと…クロックトリックってので、この人を心変わりさせたんだよね？
もう1回やってくれない、穹？その──クロックボーイの不思議なマジック！
その言葉を待ってた！
お願い、穹！
規則に忠実なハウンド家のメンバーに対して「クロックトリック」を使う
規則に忠実なハウンド家のメンバーと再会した。彼は今も規則に忠実なようなので、昔ながらの手口で彼なりの鉄則を放棄させてやる必要がありそうだ。
このハウンド家のメンバーとは話したことがある。彼は筋を通す人だ。しかし、あなたはよくわかっていた──気分がいい時は、その「筋」もあまり当てにならないことを。
ファミリーの名誉に関わることだから、誰も通さないようボスに言われてる。
わかったら帰ってくれ。わざわざお互いを困らせる必要もないだろ？
このハウンド家のメンバーとは話したことがある。彼は筋を通す人だ。しかし、あなたはよくわかっていた──気分がいい時は、その「筋」もあまり当てにならないことを。
クロックトリックで「喜び」に調整する
さて、今は何時だ？
…なにッ、もう定時か？
勤務終了だ!誰も俺の邪魔をするな──！
規則に忠実なハウンド家のメンバーは、笑いながら去っていった。
……
……
穹…アンタのクロックトリックってちょっと…危険かも。
…少なくとも、彼が私たちを止めることはなさそうね。行きましょう。そのギャラガーって人を探して、事件の詳しい話を聞かないと。
ギャラガーと話す
やけに騒がしいと思ったら…あんたらだったか。ようこそ。こんなところまで来て、どうかしたのか？
こんにちは、ギャラガーさん。その口振りからして、私たちがここに来ることはわかってたみたいね？
ハハハ…姫子さん、そう気を遣わないでくれ。俺に「さん」なんか付けなくていい。
…私の名前まで知ってるの？
ああ、知らないわけないだろ？あんたらは有名な星穹列車の乗客で、「時計屋」の客人なんだから。
俺は黄金の刻で一度そいつに会ってる。たしか、あの時は銀髪の女の子も一緒にいたな……
…あの子のことは本当に残念だった。
俺たちはファミリーの指示でその件について調べに来た。
それも私たちがあんたに会いに来た理由よ。列車としても、あの子の死を見過ごすことはできない。だからファミリーに協力して、真相を明らかにすることにしたの。彼女のためにも正義を果たしたくて……
まさかナナシビトがファミリーとつるんでるとは…これが運命のいたずらってやつか。
ファミリーが…どうかしたの？
いや、なんでもない、気にしないでくれ。ピノコニーでファミリーを嫌う奴なんざいないからな。
どんなに「美しい夢」に抵抗しようが、その時がくれば名残り惜しくなる。温かい場所から出たいと思う奴がいると思うか？そんなのはバカか子供か…正気を失ってる奴だけだ。
…何かを仄めかすような言い方ね。
まさか、そんなつもりはないさ。
事件について話したいんだろ？オーケー、それならついてきてくれ。ここは話をするのには向かないから、場所を移そう。
その頃、もう一方では……
あんなに恐ろしい事件が起きたというのに、この夢は今も秩序を保って動いているのか。
「調和」のファミリーを除いて、ここまで巨大な建築物を維持できる勢力は他にいないだろうな。
ファミリー自体も巨大で完璧な建築物と言えるだろう。まるで…生きた神像のようだ。
ファミリーのメンバーたちは、自分を神体のピースの1つだと考えている。唯一のコア 、共通の理想 を囲むように集まり、其の指揮に従い、それぞれの役割を忠実に果たす。自分を捧げると同時に、その恵みを受けているんだ。
面白い例え方だ。それこそがピノコニーの「美しい夢」が長く存続している根本的な理由なのかもしれないな。
だが、人間の体には終わりがある。それは神の体も変わらない。
「巡海レンジヤー」の言葉とは思えないな。
事実を指摘しているだけだ。ヴェルトさんなら、私よりもその意味を理解していると思うが。
どうしてそんなことを言うんだ？
美しい夢は崩れつつある。しかし、それは特定の星神や派閥、あるいは特定の客人のせいではない。その崩壊は人間のある種の性質によって必然的に起きているんだ。そして、そのことを認めようとしないファミリーの姿勢が、無意識のうちにそれを加速させてしまっている……
何の代償も苦痛もない、安楽と快楽だけの夢境に精神を浸らせていると、人は徐々に「壊死」に近づいていく。自分では極楽の中で生きていると思っていても、死は決して変えられない結末だ。
しかも、その壊死は伝播していく。1つのピースの異変が、やがて建築物全体を揺るがすまでになり、破壊を呼び…崩壊させる。
最後は、人々が自由のために作った美しい夢が、かえって自分たちを閉じ込める檻になる。
今回の旅ではかなりの収穫があったんだろう？俺に話してくれないか？
もちろん…まあ、私が覚えていることが前提条件になるが。
そう言いながら、彼女はそっと刀に手を置いた──
──そして、そのまますぐに手を下ろした。それは一瞬のことだった。
……？
ただの癖だから気にしないでくれ。過去にあった出来事のせいで、私は…少し忘れっぽくなってしまってな。この刀を鞘から抜いている時だけ、その朧げな光景が鮮明になるんだ。
なるほど、君の好きにするといい。
…これで十分だ。ピノコニーで起きたことはすべてハッキリと覚えている。何でも聞いてくれ。
💭「黎明の刻」について…
💭「金箔の刻」について…
💭「ブルーの刻」について…
💭「黄昏の刻」について…
これが私の、この旅の浅い見聞だ……
以前、ある人に言われたことがある。「ピノコニーは昔はこうではなかった。ピノコニーがこんなふうであってはならない」と。
私は宴の星の現実と夢境を歩き、何度も明ける闇夜を見た。人々のために時が止まり、精神の豊かさと貧しさも…それぞれの尺度で永遠に留まっている様を。
だから、「美しい夢」の崩壊は必然だと思う。
もしかしたら、そのすべてを変える方法があるかもしれない。
そうかもしれないな。だが、もしこれが人々の望む世界であり、生命体が眠りにつく理由なのだとしたら──私たちは、それを変えるべきなのだろうか？
……
…黄泉さん、今度は俺が話をしよう。
俺の故郷に1人の男がいてな。世界が癒えない傷に苦しんでいた時、彼はある決断を下した。
世界中の人々の夢を紡ぎ、それらの夢を互いに繋げ合わせ、自ら背負うことで、1人の巨人──「精神のアダム」を創り出したんだ。
その後、その巨人は天と地の間に立ち、世界全体の存続の柱となった。だが、その代償として、前に進むことが難しい人、前に進めない人は…永遠に「未来」を失うことになってしまった。
彼らは災いも苦痛もない夢の中で眠り、男が創造した理想郷で安らかな生涯を送った。そして「精神のアダム」は、人々の目覚めたくないという願望によって…不滅の存在となった。
だが、今あなたはここに立っている。つまり…その男は失敗したということだ。
人は常に未来に向かって進み続けなければならない。人間の弱さが人々の歩みを止めることもあるかもしれないが、本当に前に進めなくなった時…人間は必ず自分自身を救おうとする。
そして、その男も…決して失敗したわけじゃない。彼はその世界のすべての人々と同じように、人間の可能性を心に刻んだんだ。
彼は神話における太陽を追う者 だ…天に向かって飛び、落ちることで最終的な勝利を迎える。
彼は太陽の前に辿り着くためだけに、空高く昇っていった。そこは誰も到達したことのない場所だ。太陽に近づき過ぎた彼は、そこで溶けて海に落ちるが、その後は……
…無数の人々が彼の体を越え、より高い空へと飛び立っていく。
…ナナシビトの「開拓」の精神に相応しいな。
ありがとう、ヴェルトさん。おかげであなたが何を確認したいのかがわかった。宇宙には似て非なる世界が無数に存在している。そして、その世界には似て非なる人々も無数に存在する。
私も旅をしている時、異なる世界で姿の似た「旧友」に出会い、彼らの運命が既視感のある軌跡を辿っていくところを見たことがある。だからこそ、あなたに伝えよう……
完全に同じではないが、あなたが描いた物語は…私の過去と重なるものがある。そして、その底の見えない夢の中で……
…私は、その男の命を終わらせた。私1人の手で。
……
私はあなたの知っている人ではない。故郷も…あなたたちの世界のように幸運ではなかった。
…それは残念だ。
いや…あなたの疑念を晴らせるなら、それで構わない。
だが、それでも聞かせほしい。黄泉さん…「巡狩」の表象の下で君を導いてきたのは、どんな力なんだ？
…ヴェルトさん、その質問に答える前に、さっきの話を続けてもいいか？
あなたの比喩が気に入った。確かに鳥は生まれつき飛ぶことができるが、遠い昔、彼らの祖先は地上から空を見上げることしかできなかった。
彼らは遥か遠く、天の外から届く光が雲を貫き、大地を照らす様を見ていた。そして鳥たちは何度も何度も、何世代にもわたり、翼を広げ、空高く舞い上がり、太陽に触れようとした。なぜなら、そこに太陽があるからだ。
では、そうして最後の鳥がついに空に舞い上がった時、光の果てにあるのが太陽ではなく、光を吸い込むブラックホールだったことに気づいたとしたら……
なぜ私たちは…光に向かって飛ぶのだろうか？
一方その頃のブラックスワン
※ここからの続き。
……
久しぶりだな！ピノコニーを楽しんでるか──「黄泉」？
（この声は…さっきのコンスタンスじゃないわね。彼女の仲間かしら？）
アンタが何者で、何を企んでるかは知んねぇけど……
オレの弾丸はすぐにアンタを見つけ出す。その前にピノコニーで棺桶を見つけて、店主に質のいいヤツを用意してもらったほうがいいぜ。二セモノ。
（「ニセモノ」？なるほど、彼女は黄泉を追っている他の誰かに私の居場所を教えたのね）
あなたは誰？
ああ？相手を間違えたか？ホーリーベイビー、アンタは誰だ？
私はガーデン・オブ・リコレクションのメモキーパーよ。
おお！スゲェじゃん。オレそういう強いタイプ好きなんだよな〜アンタ、あの二セモノのボディガードか？それとも他の何かか？ま、どっちでもいいけどよ。アンタにも銃弾を1発残しといてやるから、首を洗って待っててくれよな。
何を言っているのかよくわからないけど──あなたは黄泉という巡海レンジャーを知ってるのね？あなたに聞きたいことがあるの。
はは、遺言状を書いてほしいのか？いいぜ、書き出しはどうする？
遺言状なんかじゃないわ──彼女が一体どうやって巡海レンジャーに「なった」のか知りたいだけよ。
……
彼女は「巡狩」の運命を歩んでなんかいない。あなたこそ「巡狩」の運命の行人…そうでしょ？ねｋぇ、教えて、黄泉は、一体何者なの？
…ハハハハハ、オーケー！まさか味方だったとはな。ホーリースウィート…どうやらオレはマジで運がいいらしい。
もうすぐピノコニーに着く。メモキーパー、「アスデナのホワイトオーク」を買って温めといてくれ。それで乾杯しようぜ。
あの女の過去？ンなもん誰も知らねえよ。だがアンタが単純な答えだけ求めてるってんなら、いいだろう。クッションになる椅子を用意しといてくれ。あの黄泉って女はな──
──「存在するはずのない」使令だ。