あなたたちは星核に侵蝕された大守護者カカリアを倒した。カカリアの消失とともに、星核の影響も弱まっていく。ベロブルグのすべての人にこの知らせを伝えるべきだ。
終幕 
嘘
終わったわね……
……
お母様…あなたは …… 夢から覚めることはできましたか？
ふう、今回の開拓…本当に大変だったけど、丹恒、それに穹──ウチら見事に遣り遂げたね！あっ、でも「星核」はどうしたらいいのかな？今までは全部ヨウおじちゃんが処理してたけど ……
姫子さんとヴェルトさんには連絡を入れてある。この「星核」は2人が封印してくれるそうだ。
さっすが！これで、この世界の危機は去ったってことだよね？
……
…風雪激しく、止まるは難し。
「星核」が封印されれば、寒波は徐々に治まっていくだろう。だが、この世界の裂界は急激に広がることもなければ、忽然と消えることもない。ヤリーロ-�困漏里�に再生の可能性を得たが、それには時間が必要だ……
ここから先は、彼らの努力次第だろうな。
みんな…ありがとう。
無理しなくていい。
ありがとう、穹…でも私は大丈夫、心配はいらない。
やるべきことはたくさんある…あの「造物エンジン」による騒動には、きっと市民たちも気づいたはず。多くの疑惑を晴らす必要があるし、公表すべき真実もある……
ただ、どうすればみんなに受け入れてもらえるのかわからない……
真実を偽ろう…
それって、つまり……
嘘を嘘で塗り固める──でも、そんなことをしたら、私は……
そうしなさい、ブローニャ。
…ゼーレ？
ワタシ…どう説明したらいいかわからないけど、他に方法はないと思うの。
下層部で、ワタシたちは毎日ある言葉を子供たちに言い聞かせてた。「明日はきっとよくなる」ってね──そうすれば、たとえ嘘だとわかっていても、希望を抱いて眠ることができるから。
もし、ここで起きたことが知れ渡ったら…どうなるか想像できるでしょ？人々は間違いなく絶望してしまう。守護者さえ信用できなくなったら──ワタシだったら何を信じればいいのか…何が信じられるのかわからなくなるわ。
……
…お母様は、ベロブルグを「存護」するために犠牲になった。
…え？
天外から降り立った来訪者から、彼女は「星核」の秘密を知らされた。そして彼女は、初代大守護者であるアリサ・ランドが「星核」を破壊できなかったことも知っていた……
…それでも彼女は、人間の想像を遥かに超えた力に挑むことを決意した。そうして大守護者カカリアは、自らを犠牲にしてベロブルグを危機から救った──
──今から、これが「真実」になる…あなたたちは…どう思う？
それなら、まだ「存護」の希望はあるわね。
合理的だな…少なくとも、嘘だと反証するのは極めて困難だ。
どうして嘘をつかなきゃいけないの…よくわかんないからパス。ウチはやっぱり本当のことを言うほうが好きだもん。でも…みんなの言うことも、ちょっとは理解できるよ。
俺は賛成、それでいこう。
理解してくれてありがとう、穹。
多くの人にとって、お母様は優秀な守護者だった…真実を残したいのなら、過ちも狂気も、邪悪も夢も、すべて私の記憶の中に留めて…私が背負えばいい。
「大守護者」の責務を受け継ぐ以上…私は甘い幻想を捨て去る必要がある。
ごめんなさい、ゼーレ。あなたには、この秘密を私と一緒に守り続けてほしい…私たちの命が尽きるまで、ずっと。
もちろん──どうすればいいかはわかってるわ。
ありがとう。
それじゃあ、前に約束した通り…上下を繋ぐ「橋」を架けるために動きましょう。
解散
ゼーレ、あなたは「星核」が封印されたことを下層部のみんなに知らせてくれる？もうすぐ封鎖は終わると…自由に呼吸できるようになると伝えてほしいの。
ええ、ワタシに任せておいて──きっとナタも、首を長くして待ってるはずよ。
あなたが取り次いでくれるなら、私も安心して行政区に戻れる。ジェパード戍衛官とセーバルさんに伝えないと…うっ……
……ちょっと、大丈夫！？
どうしたの、ブローニャ？どこか具合が悪いの？
私は…大丈夫。早く…動かないと……
でも、すごく苦しそうだよ！どうしよう…穹、何か考えはない？
ゼーレ、ブローニャを連れて帰ってくれ。
…わかった。忘れるところだったけど、アンタたち、まだ指名手配されてるんだったわね。ワタシは下層部の人間だけど、アンタたちほど目立たないでしょうし。
それじや、ナタへの報告はアンタたちに任せるわ。ブローニャのため…ううん、ベロブルグのために──アンタたちも秘密を守るのよ。
列車組で話す
穹、さっき急にカッコいい武器を持って戦場に現れたけど…いったい何があったのか、ちゃんとウチらに説明してくれない？
「存護」のクリフォトに会った…
えっ…あんなタイミングで琥珀王に見られたの？偶然で済ませるには、ちょっと出来過ぎな気がする……
穹自身、よくわかっていないのだろう。今回が初めてじゃない…宇宙ステーションで終末獣と対峙した時も、同じようなことが起きていた––ナヌークに一瞥されたことは覚えているか？
今まで星核は「壊滅」と関係があると考えていたが…どうやら、そんなに単純な話ではないようだ──一度ヴェルトさんに相談しなければ、結論は出せない。
まずは、今やるべきことを終わらせよう。姫子さんとヴェルトさんが星核を処理している時に邪魔をするのは避けたい。この件について話すのは、列車に戻ってからだ。
うん、そうだね。一度やると決めたことは、最後までやり通さないと…早くナターシャを探しにいこう。
おまけ
ゼーレとブローニャ